働くひと

外交官志望の東大生が、軽い気持ちでベンチャーのインターンに行ったら。

 

RareJob・Alumni | 宮田
東京大学に在学中。2016年5月から1年2ヶ月インターンとして、レアジョブ 文教事業部にジョイン。インターン卒業後は、交換留学としてシンガポール渡るなど、自分探しをしている。

「まーインターンはしますけど、僕、外交官になるんで…ベンチャーは興味ないですね。」

こう言い放ってレアジョブのインターンに参画した。契機となったのは、Z会通信教育のOB/OG会の場だった。

Z会で僕がお世話になった方に、「アルバイト紹介してください〜」という話をしていたところ、レアジョブの社員の方を紹介してもらった。

レアジョブがZ会と資本業務提携をしていた関係で、レアジョブ社長室の方が、その場に来ていたのだ。

名刺をもらったとき、「社長室」の文字が光って、漠然と「カッケーな」という印象をもった。ただ、その時の僕は民間ビジネスなんてほとんど考えたこともなかった。

外交官のみを目指していたのだ。大学でも経営なんて勉強していないし、プログラミングができるわけでもない。

大学の授業が比較的軽い時期だったので、昼間のバイトで稼げればいい、そんなノリだった。そこで、インターンの人事面談にて、冒頭の言葉を放った。

この、「外交官以外に興味はない」という謎に強気なスタンスは、その後、散々レアジョブ社内の人にイジられることになる。当たり前だ。生意気過ぎる。

官僚的な言葉で言うと「記憶にございません」という状況なのだが、いずれにしても、よくベンチャーに興味がないと言い放った学生を採用してくれたなと思う。


 

 
入社後は、OB/OG会でお会いした「社長室」の方が所属する、スクール事業部という部署に配属された。

そこで最初に「サークルで企業分析やってるならこれやってよ」と軽くポンと、買収候補企業の財務分析のタスクを投げられた。

僕は基本的に物事をナメてかかるタイプなので、このときは「まあ適当にやればすぐ終わるだろう」という感覚だった。その自信は、すぐに打ち砕かれることになる。

必要な情報が比較的揃っている大学の勉強とは異なり、このとき与えられた数値や情報は、極めて限られていた。答えを出すには、要素が足りない。一筋縄ではいかない。

「勉強」と「実践」は、全く違う。この当然の事実を、身をもって体感した。同時に、大学内に留まるのではなく、社会に出る必要性を悟った。

公開情報を探すのも一苦労、予測数値ひとつひとつに論理性が必要で、仮説検証のPDCAを徹底的にまわす。

要求されるレベルは高かったし、次から次へと仕事が降って来たが、何でもやってみたいと思った僕は、次々と渡される仕事に満足していた。

おもしろそうな仕事を上司が抱えていて机の反対側でウーンと唸っていると、それを巻き取った。仕事は無限にある。それが、ベンチャーのいいところなのかもしれない。


 
仕事の幅はどんどん広がっていった。

予算案や事業計画の作成など、インターンとして任せて貰えるとは思っていなかったような仕事も任せて貰えるようになった。

しかし、仕事は大抵、上司が冗談半分に「次回出勤日までにやっといて」と無茶振りで投げてくる形で僕の手元に届く。仕事は常に突然だ。

となると、ラーニングサイクルをいかに速く回すかが鍵だと強く感じるようになった。そこで、課題があれば本を読んだり、ネットで調べたり、知人の伝手を辿ったり、あらゆる手段を使って徹底的に準備をすること。これだけは徹底した。

準備段階でラーニングサイクルを回すことで、期限よりも早く、期待を圧倒的に超えたアウトプットを出す。そうしてスピード感をもって仕事をこなす。

特にこのときは新規事業部の立ち上げ期だったので、次々と新たなスキルを身につける必要を感じた。

そして、そのスキルレベルは最初から100%である必要はなく、60~70%程度のスキルセットを短期間で身につけること、変化に対応することが非常に重要だと感じた。

このスピード感は刺激的で、すごく面白かった。 大学は期末に試験が1回あるのみだが、ビジネスでは学んで結果を出すまでのサイクルが非常に速い。

実際、このインターン期間中のラーニングカーブは超絶スティープだったと思う。財務分析ができて、事業戦略を描けて、予算戦略を描ける。さらに、海外に行けて、コードも少し書けてと、いろいろなスキルを短期間で身につけた。

「経営×TECH」の領域で業務をゴリゴリに回せる、レアジョブでのそうした体験は、時間が過ぎるのを忘れるほど熱中できるものだった。


 
大きな転機となったのは、中国に行ったことだと思う。

これは公開情報なのかわからないが、とある中国企業からオファーが来て、僕の上司が担当していたので深圳までついて行った。
 

 
インターンに出張費出せるか!と言われそうだったので、自腹を切って行った。今でこそ深圳は日本人の間でも認知度は高まりまったが、当時はまだマイナーで知っている人は多くなかったと思う。

しかし深圳に行ってみると、ドローンが飛び、ロボットが出迎え、電子決済が普及している。そこで思った。「あ、これは中国の時代だ、日本終わった」と。

それから中国語を勉強して、留学先も中華圏のシンガポールを選んだ。日本にいると、欧米が先進国でその価値観に染まることが多いが、今や中国は世界で最も先進的な国のひとつとなっており、多くの事業家が活躍している。そして彼らが今や世界の経済成長を支えている。

外に出ることで、それも成長著しい中国という、衰退する日本とは対極にある国を目にしたことで、日本に対する危機感も持ったし、中国への大きなリスペクトも持てた。

若手にこれだけの学びと成長の機会を与えてくれる、ベンチャーは大学よりよほど教育機関として成立しているように思う。


 
それがベンチャー企業だから、レアジョブだからか。僕には分からないけども、インターン先としてのレアジョブは非常に温かみのある組織だった。

レアジョブ最高!と持ち上げる意図があるわけではないのだけど、家庭と両立している人も多かったし、インターンにもとにかくフラットに接してくれる、そういう環境だった。
 

 
ベンチャーはイケイケな人ばかりかと思っていたので、正直、意外な部分があった。もちろん中には仕事に没頭している人もいて、そうしたワーク・ライフ・チョイスができて働きやすいのは、いいところだなと思った。

振り返ってみると、僕はベンチャーのインターンに参加するまで、「彼女なんて時間の無駄だからいらない」が口癖のやや厨二病的な人間だったのだが、このインターンでの様々な人との触れ合いを通じて、色々と考えを改めた。

僕は今、外交官を目指していない。自分の中で、何かが大きく変わるインターンになった。