働くひと

海外志向の女子が「欧米」ではなく「アジア」で働くべき意外な理由

 
今回は、レアジョブのフィリピン子会社で活躍する中平さんに話を聞いてきました。

アメリカ・ドイツ・ニュージーランド・フィリピン・日本…と世界各国で働いてきた彼女から見た「女性が東南アジアで働く魅力」とは、一体何なのでしょうか。

各国の職場で身をもって感じた、リアルなエピソードが満載です。
 

登場人物

中平:携帯電話メーカーに入社し、品質保証担当として海外モデルのローカル展開に従事。その後、日本のソーシャルゲーム会社にて品質保証とカスタマーサポートを担うフィリピンオフィスの立上げに従事。2016年にレアジョブにジョインし、RareJob PhilippinesのQAチームにて、フィリピン人スタッフのマネージメントを行う。
聴き手:インタビューをするために雇われた、外部の人。

アメリカや欧米の競争文化には、適応できないと断念した

 

昔から海外で働きたかったのですか?

学生の頃に英語を学んで、興味を持っていました。英語が使えて、海外出張ができることから、日本の携帯電話メーカーに就職しました。

どんな仕事をされていたのですか?

仕事は品質管理(以下QA)で、日本の携帯電話機器を海外の携帯事業会社で使うために、実網検証をする仕事でした。アメリカやニュージーランド、ドイツに、月単位の出張ベースでプロジェクトを進めるスタイルでした。そこで、自社の日本人エンジニアと海外顧客のエンジニアの架け橋をしていました。

記憶に残っている国はありますか?

そうですね。ニュージーランドは、金曜日の午後になると仕事中にワインを飲んでる人がいました。自然があるからか、おおらかに仕事をする人が多いのだと解釈しています(笑)。

かなりの拡大解釈ですね。

はい。仕事においては、日本の大企業という看板があったとしても、信頼を築きあげないと契約してもらえないという厳しさを垣間見ました。そのために、指示を細かく伝えたり、回答スピードを速めたり、ちょっとしたことでも相談するという日々の小さいコミュニケーションの積み重ねで、信頼残高を高めることに注力していました。

 

 

実際に、希望していた欧米で働いてみていかがでした?

ドロドロですよ。(※個人の見解です。)同僚は、会社の中では友達でも、蹴落とすのが当たり前なんです。

へえ。

「友達だよね!」って言われるけど、実際は友達じゃない。友達=ライバルを蹴落として、上へ上へと上がっていこうという雰囲気がありました。あることないことを上司に言って自分を優位に立たせる、人のアイディアや成果を自分の手柄のように見せるとか・・・。どうしたら自分を優位に立たせられるかと、日々考えている人たちが多かった印象です。

競争社会ですね・・・。

超競争社会ですよ。私は、そこまで我を出して主張することはできないと思いました。言い訳に聞こえるかもしれませんが、ほら、日本人は協調が美徳ですから…

日本の教育の賜物ですね。

英語を話せたとしても、主張したい意見がないと会話に参加できません。また、自分に主張したいことがあっても、人の意見を蹴落とせるかと言われると、そこまで自信がもてませんでした。

そういう文化が合わなくて、帰国している友達も見てきました。
もちろん、個人差があると思うので、自分の意見を主張できる方には、どんどん欧米で挑戦してもらいたいですね。

ただ、私には厳しすぎたので、断念することにしました。

東南アジア フィリピンで働いてみていかがですか?

どういう経緯で、フィリピンで働くことになったのですか?

日本のソーシャルゲーム会社で働いている友人から「フィリピンで品質保障とカスタマーサポートの部署(以下CS)を立ち上げることになったので、助けてほしい」と言われたのがきっかけです。

 

 

最初は、フィリピンに行ったこともないし、良いイメージもなく戸惑いましたね。ただ、一度は海外に住んで働いてみたかったし、チャンスがあるなら掴みたいと思っていたので、いつでも帰れるという軽い気持ちでフィリピンへ行きました。

前職でもレアジョブでもQAチームのスーパーバイザー(以下SV)ですよね?周りを蹴落としてリーダーになったんですか(笑)

蹴落としてはいません(笑)。フィリピンは、激しい戦いがないんです。
みんな優しく、ホスピタリティが高い。逆にいうと、マネージメントは仲が良い人に対して甘い評価になりがちなので、厳しく見ないといけないくらいです。

優しい国に辿りついてよかったですね。

業界特性があるかもしれませんが、私は製造業で働いていたので、日本では出先で「女性だったんですね!」と言われることが多かった。男性社会で、役割や役職など任されることが少なかった。東南アジアは女性が強くしっかりしていて、女性のSVが多いです。

南の国は、女性が強いですよね。

こちらは、いろんな意見がある中で、良いところを探すのが当たり前です。だからこそ、「あなたはどう考えているの?」と聞かれることが多いです。日本よりも意見が言える環境がありますね。

フィリピンと日本における、仕事の進め方の違い

フィリピンと日本では、仕事の進め方が違いますか?

前職(ソーシャルゲーム会社)もレアジョブも、QAのプロセスの構築から始め、テストケースの作り方の整備、ステータス管理などを行いました。それと同時に、日本人上司のビジョンを具現化して、フィリピン人のリーダーに伝える役割も担っていました。

フィリピン人って、ソーシャルゲームで遊ぶんですか?

そうですね、遊ぶ人はいますが、課金までするヘビーユーザーはいないように思います。ただ、だからといってQAの業務ができないということはなく、チームをみていると日本人よりもフィリピン人の方がエラーの検出量が多いんですよね。細かいことを見つけることが好きみたいです。

へええ。意外ですね。フィリピンと日本では、仕事の進め方って違うんですかね?

違いますね。

 

 

日本って、レポートラインがはっきりしない中で進むことが多いですよね。日本はメンバーシップ型(最初に全ては決めないスタイル)で、1〜5を言えば、それで話が通じて部下は動きます。ただ、臨機応変にやってくれるが故に、問題が起きたときに原因がはっきりしないことが多いです。「たぶん私のこれが悪かったんだろうな」と、全員が”推測”で反省するしかなくなります。

推測での反省だと、納得感が薄れてしまいますよね。

欧米や東南アジアでは、問題が起きたときには原因がはっきりさせられます。

これは、ジョブ型(最初に1-10を決めてから動くスタイル)だからです。細かく指示を出すと完璧にこなしてくれて、たとえ効率が悪くても文句を言われることはありません。しかし、問題が起きたときには誰が悪かったのか明確になります。だから、仮にもし自分が原因だった場合には、素直に反省ができます。

日本の同僚や友人と話していると、「白黒はっきりしている方が好み」なのは、多くの女性に共通しているのではないかと思います。自分で素直に反省できる環境って、女性には向いていると思っています。

欧米で仕事をしていた経験から細かく指示を出す習慣には慣れていたので、この文化にはすんなり適応することができました。将来、欧米で働きたい方も、まずはアジアでジョブ型の仕事の進め方を体験してみるといいかもしれません。

まとめ:アジアを勧める理由

アジアを勧める理由1:人を蹴落とすことが当たり前の欧米は、厳しすぎる
(※個人の見解です。)

アジアを勧める理由2: みんな優しく、ホスピタリティが高い。そして、自分の意見を言える&聞いてくれる!

アジアを勧める理由3: 仕事がジョブ型で進むため、問題が起きた時に白黒はっきりする

海外で働きたいと思うのであれば、チャンスがあればどんどん海外にでて経験をしてほしいなと思います。

中平さんの今後は?

せっかくこちらで仕事をしているので、フィリピンに何か還元できないかと考え、起業なども考えています

セブは旅行や留学で有名になってきたと思いますが、まだマニラに遊びにくる人って少ないですよね。もうちょっとイメージを変えていきたいと思っています。

マニラからも、移動時間1時間以内で行ける距離に綺麗なビーチがたくさんあります。ランニングやスイミング、アイランドホッピングもできちゃうんです。

 

 

へえええ

フィリピンに遊びにきてくださいね。

レアジョブ、いやフィリピンのポジショントークっぽくなっちゃいましたが、一個人の意見として参考にしてくださいね。

ありがとうございました!