レアジョブについて

共同創業者からなぜ転職?30歳の節目でキャリアに悩んだ人が”オンライン英会話のレアジョブ”にブランディングをしに来た理由

 

赤生 悠馬:株式会社レアジョブ M&B戦略本部 グループ広報部 部長

株式会社モリサワに入社後、電子書籍の企画営業を経て新規事業を立ち上げ。2019年から株式会社ZeBrandの共同創業者として実績を残し、2022年4月に株式会社レアジョブ入社。

聞き手:話を聞くために雇われた外部の人。聞きたいことを聞く。

大手ベンダーへ入社、なぜかNYで創業・・

 

前職はブランディングソリューションの企業を共同創業されてるんですよね?

そうです。だいぶ遡りますが、新卒でモリサワというフォント企業に入社したことが始まりです。

合同説明会で、就活生が大量に集まっているブースがあったんです。
どんな会社かなと思って覗いたら「フォントの会社です!」と言っていて。「フォントってなんだ!?」という好奇心でエントリーしました。

だいぶ軽い入りですね。

実際話を聞くと、「世界No1のフォントメーカーになる」という目標を掲げて海外でチャレンジしてることや、社員が会社のビジョンに対して本気で、熱量高めなところに引き込まれました。新卒社員は基本的に印刷会社などにフォントを販売する部署に配属なんですが、なぜか僕だけ電子書籍を扱う新設チームだったんです。

希望を出していたんですか?

いえ。でも選考段階から役員陣に「フォントだけじゃないんですよね!?」と謎のコミュニケーションを取りまくっていたので、「じゃあ電子書籍でいいんじゃないの」みたいな感じでした。で、ここでもまた、「電子書籍ってなんだ!?」となるという。笑

2013年頃はまだフィーチャーフォンと呼ばれる折り畳みの携帯電話を使っている人の方が多く、電子書籍を使っている人はマイノリティでした。

電子書籍の営業って、何を売るんですか?

NewsstandというiPhoneにプリインストールされていたアプリの電子書籍配信システムを自社開発しており、それが商品です。

入社時点では、シェアNo1が大手広告代理店、No2が世界のAdobe、で大きく差をつけられて、ほぼ実績ゼロの自分たちでした。最初は苦労しましたが、競合がアプローチしないニッチな書籍や地方出版社を狙った戦略で徐々に顧客を増やして、結果1年でシェアNo1になったのは誇れるエピソードですね。

シェアを奪った大手広告代理店の電子書籍チーム内では、「競合にヤバいやつが現れた」みたいに噂になっていたらしいです。笑
で、この電子書籍の営業でタッグ組んでやっていたのが、前職の創業者です。

ここで出てくるんですね!

彼は、電子書籍の営業をする前はアメリカに留学してたんです。世界を見てきた状態なので、「会社が世界No1になるためには、もっとこうしなくちゃ!」と、社長や役員と戦ってたんです。僕も同じ想いを持っていたので、二人で「世界を狙える新しい軸を作ろう」と発起して、新規事業開発の部署ができました。

それから一年の半分以上は海外に出張して、ろくに英語も話せないのにピッチしたり、情報収集したりしながら、新しい事業はブランディングだ!と決めました。

ふむふむ…

で、NYで登記して、会社が始まり…

ん?!にゅーよーく…で…とうき…?

新規事業の予定でしたが、意思決定スピードを上げるためにスピンオフしました。
日本のブランディングは世界と比較して3年遅れ、と言われてるんです。世界を目指しているのに、日本で成功してから世界に発信したら「何年前の話?」となるのが嫌で。最初からハードルの高いところに挑戦しようと決めて、NYの会社として海外だけで実績を作りました。

 

キャリアへの悩み、レアジョブとの出会い

 

うまくいったんですか?

簡単ではなかったです。NYの会社として打ち出しているのに、イベントブースには日本人、商談に出るのも日本人「あのアジア人は何?!」みたいな反応でした。笑

ブランディングのオートメーションツールなので、デザイナーやブランディングコンサルから「仕事をなくす気か!」と敵対視されたこともあります。ターゲットの違いやブランディングへの想いを語ることで徐々に現地の同業者と関係を築きましたね。顧客も紹介、紹介、と増えて、アメリカでの実績を逆輸入し、去年から日本でもサービス開始しています!

赤生さんはどんな役割だったんですか?

スタートアップなので、経営者視点で上位戦略を考える、顧客を開拓する、契約、採用、広報・・なんでもやりました。

順風満帆に見えますが。

うーん・・。まあそうなんですけど、そうでもないというか…。違和感はあったんですよ。

共同創業者であり企業担当者でもあり、常にいくつもの立場で考えて動いているので、担当する企業のブランディングだけを追求して考えられているか?という不安はありました。

ブランディングを本気でやるなら、やっぱり内側から関与しないと変えられないことも多いんです。外部からいくら良い提案をしても、顧客から「できない」と言われてしまえば、できない理由がなぜ起こるのか、どうすればできない理由をつぶせるのか、というところまで踏み込むのは難しくて、それが悔しかったですね。

いわゆるコンサルティングやクライアントワークに携わる人たちが感じる壁や、もどかしさに近い感覚かもしれません。

30歳になったタイミングでもあり、このままでいいのだろうか、別の場所にはもっと自分が成長できる可能性があるのではないだろうか、というもやもやを抱えていました。

それで・・転職活動を?

いえ、会社は好きだし、やるべきこともあるし、恩もあるし、転職までは考えてませんでした。ただ、このタイミングでレアジョブと出会ったんです。ユーザーだったという理由で企業自体に興味があって、取締役にアポイントが取れたので営業に行きました。

商談では、普通にオンライン英会話の文脈でブランディングの提案をして終わったのですが、後日取締役から「もう一度話したい」と連絡があり、そこで「いやー、実は今オンライン英会話以外も色々やってて、AI使ってスキルを可視化して~…」と話が出てきたんです。

「え、何それ、めっちゃおもろしい、可能性しかないじゃん!」と、テンション上がっちゃいました。で、自分だったらこういうブランディング戦略でやります!というのをひたすら喋ったんです。そしたら取締役も「そうそう、そうしたいんだよ、頼むよ」って言ってくれて。笑

どんな話をしたんですか?

レアジョブってオンライン英会話のイメージが強いですけど、実際は「スマートメソッド®コース」(英会話コーチング)や、「PROGOS®」(英会話力のアセスメントシステム)など、その他にもたくさんサービス提供しているじゃないですか。

さらに、これからやろうとしているのって英会話領域だけじゃなく、もっと広く、スキルをテクノロジーの力で正しく測って、確実にスキルを伸ばせるソリューションを提供しよう、ということですよね。

例えば、Amazonはショッピングから始まって、人々の認知として「買い物するならAmazon」がある。でもそれだけじゃなくて、動画配信やサーバー、宇宙開発とか、1人の認知の中に複数の事業イメージが入っているんです。

レアジョブも、「オンライン英会話」や「英語」のブランド認知を無くしたいわけじゃないんです。「レアジョブの英会話サービスいいよね!あ、でもレアジョブって他のサービスもあるじゃん」「新しい仕事がしたい、だからあのスキルを伸ばしたい…なら、とりあえずレアジョブを見よ」というのが目指す世界観です。

スタートアップの社長とか、起業を目指す学生とかが「今の自分はビジネスでグローバルに活躍できるスキルを持っているんだろうか?」「起業してリーダーになるにはどんなスキルがいるんだろうか?」というようなときに、まずレアジョブを検索する、という未来が実現したらいいですよね。

…と、こんな話です。取締役からは「次は代表と会ってよ」と言われてまして、後日代表にも同じように話したところ「で、いつから来ます?」と。笑

え、それでどうしたんですか?!

その場では、転職する意思はないことを伝えました。キャリアには悩んでましたけど、そんな今すぐにどうこうとは思ってませんでしたから。

だって、自分でアイデア出して、100個以上のプロトタイプから「これだ!」と思って選んだ事業を2年かけて立ち上げて、そこからやっとの想いで軌道に乗せた会社ですよ?!創業者とも何でも意見をぶつけ合えるパートナーでしたし、いきなり辞めるなんて!!

で、ですよね〜!

…って思ったんですけど、「どうやったらレアジョブの仕事ができるか」とずっと考えてる自分もいたんです。副業も考えましたけど、それじゃ結局どっちも中途半端だと思って。ぐるぐるぐるぐる…。で、もうこんな悩んでる時点で心は決まってるな、と。

転職における「今じゃない」ってよく聞くワードだと思うんですが、「じゃあいつなの?」って、最後は自分を自分で後押しした感じです。今年の4月1日にレアジョブに入社したんですが、3月31日のぎりぎりまで前職の引継ぎをしてました。僕がいなくなっても事業が伸び続けるように、持っていたものは全て置いてきたつもりです。

 

描く未来とは

 

そこまでして入社したレアジョブの魅力は?

英語領域における立ち位置は、既に業界内で確立されてますよね。オンライン英会話の第一人者ですし。でもトップの口から「英語だけの事業ではなくて、人のスキルを成長させていく会社になる」というビジョンが明確に語られている。トップがこのままではいけないという危機感を正しく持っていて、明確なビジョンを感じられたのが魅力でした。

そして、2つ目はブランディングのポテンシャルが大きいことです。知的財産が大量にあるんですよ。出せてないだけで、価値あるものだらけなので、ブランディングする元ネタには困りません。

一方で難しいのは、創業から15年ともなると、世間から固定の認知が既に取れてしまっていることですね。0→1でブランディングするのは、実はそんなに難しくなく、既にある認知をアップデートする方が圧倒的に難しいです。

難しいけど、実現できないとは思わなかったんです。経営者が大きな未来予想図を掲げるのは簡単ですし、そういう経営者はたくさん見てきました。でもレアジョブは絵空事じゃないと思ったんです。「ブランディングがうまくいけば、その未来は作れますよ」って、レアジョブの経営陣に対して思ってたんです。そして、それをやるのは、自分だなと。

実際入社してどうですか。

まあ、大変ですよ(笑)根本的に変えなきゃいけないことが多いです。
ただ、上場企業だしスピード感なかったり裁量なかったりしたらきついなと思ってた懸念は、いい意味で予想を裏切ってくれて。今は直で経営陣にがんがん提案して、意見交換して、決裁を仰いでます。レアジョブ、めっちゃ面白いですね。

この数年がレアジョブの未来を握ってる、と思っています。
“今このままだと一生このまま”は、転職する前の僕でもあり、今のレアジョブが抱えるブランディングの課題でもあるので、あとは未来を見つめて、やるだけですね。

〜終〜