働くひと

グローバルに活躍するエンジニアの条件とは?Global Engineer Nightを開催

 
先月、10月25日にメルカリ社とQuora社と当社で開催した“Global Engineer Night”についてレポートいたします!


 
グローバル化が進み、活躍の場に海外を選ぶエンジニアも増えてきています。一方、IT業界にかかわらず、さまざまな業界でテクノロジーと既存産業の融合が進むことで、ITエンジニアが求められています。それにより近年、外国人人材の採用が進み、国内企業でも外国人人材との協働が必要になったり、リモートで連携しながら共同で開発をしたり、と海外で働く以外にも、さまざまな“グローバル”の形が広がってきています。

今回は、米国に本社を構えるQuora社、アメリカで事業を展開、国内でも多くの外国人エンジニアが活躍するメルカリ社、そしてフィリピンに開発拠点を構え、共同で開発体制を敷く当社の3社が集結。「日本でも海外でも垣根なく活躍できるエンジニアには、どのようなスキルセットが必要なのか?」というテーマで、パネルディスカッションを開催しました!
会場はメルカリさんをお借りしました。


■登壇者
Mercari
名村卓 (Suguru Namura) 執行役員 Chief Technology Officer

受託開発経験を経て、2004年に株式会社サイバーエージェントへ入社。アメーバピグ、AWA、AbemaTVなどの新規サービスの立ち上げに従事。2016年7月、株式会社メルカリに入社。USに出向し、US版メルカリの開発を担当。2017年4月、日本に戻り、同社執行役員CTOに就任。
 
RareJob
山田浩和(Hirokazu Yamada) 執行役員 Chief Technology Officer

 
SIerを経て、2003年にYahoo!Japanを入社。カレンダー、フォトなどの開発に従事。2007年にKDDIグループのmedibaに参画し、広告及びメディアの開発責任者を歴任し2015年よりCTOとして従事。2017年10月からレアジョブに参画し、2018年にCTOに就任。2019年10月よりRareJob PhilippinesのEngineering Divisionの責任者に就任し、日本、フィリピンの開発部隊を統括。
 
Quora
江島健太郎(Kentaro Ejima) Evangelist

香川県に生まれ、6歳よりプログラミングを独学、京都大学工学部卒業。外資系企業に就職後、スタートアップの米国進出のためシリコンバレーへ渡米。iPhone無料アプリ総合ランキングで米国トップ5入り、3年で3000万ユーザー獲得。ニューヨークにてEast Meet Eastの創業者兼CTOとして起業を経て帰国。現在、米Quora社の日本進出を担当。
 
■モデレーター
株式会社レクター
広木大地(Daichi Hiroki) 取締役

筑波大学大学院を卒業後、2008年に株式会社ミクシィに入社。同社のアーキテクトとして、技術戦略から組織構築などに携わる。同社メディア開発部長、開発部部長、サービス本部長執行役員を務めた後、2015年退社。株式会社レクターを創業し、技術と経営をつなぐ技術組織のアドバイザリーとして、多数の会社の経営支援を行っている。著書『エンジニアリング組織論への招待 不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング』。

まず、“グローバル”をテーマに、各社によるプレゼンテーションを実施。



 
その後、モデレーターに広木さまを迎え、パネルディスカッションを実施。
議論に上がったテーマは以下のとおり。
来場いただいた皆様からの質問も含め、「グローバルとは?」という壮大なテーマから、「学歴って関係あるの?」「海外で実際に仕事を得るためには?」など具体的な質問まで、幅広い話題が展開されました。


 
一部のトピックについてご紹介します。
 

海外のエンジニアと仕事をした中で一番大変だったこと、失敗したこと

山田:いまレアジョブでフィリピンと共同で開発を進める中で、特にカルチャーの違いを感じる点は、海外ではみんなレポートラインとジョブディスクリプションを重視すること。海外(フィリピン)ではそのような背景を踏まえたディレクションやコミュニケーションが必要。
ただ、それをきちんと理解するまでは、欲しい情報を手に入れることや、違うカルチャーの中で信頼関係を作るのも難しく、きちんと時間をかけていった。

名村:日本的マネジメントが通用しないこと。日本って「なんとなく目標を決める」→「頑張れ」という、頑張るベースのマネジメント。日本人と外国人では、プロフェッショナリズムに対する明確な違いがある。日本的マネジメントにフィットせず、評価のタイミングで期待値設定や課題の取り除きを早くやらないと失敗してしまう。

海外のエンジニアと仕事をした中でよかったこと・成功したと感じたこと

名村:エンジニアが成果を出すことに対する仕組み化は、海外の方が進んでいると感じた。日本人はハイコンテクストで、フィーリングで物事を進めている。苦労することが美しいというのが日本。外国人にとっては、意味がないこと。
また、ソフトエンジニアリングという分野では、何をとっても海外の方が進んでいると感じる。そういう事例を聞いたり、フィードバックを得ていくことで、そのような価値観を得られたのは大きい。


 
江島:一つ思ったのは、エンジニアはある意味、「怠惰な人」が多い。できる事なら楽をしたい人が多い。手を抜くために全力をあげて、とことん合理的に効率化させる。それは世界共通だと感じた。

グローバルエンジニアの条件とは?

山田:予測し得ない状況ばかりなので、適応力、柔軟さがどれだけあるか。
また、グローバルに限らないことでもあるけれど、僕の場合は、短期的にゴールを作って、自分の成長をイメージしながらどのように物事進めていくかを考えることだと思う。遠いゴールは膨らみすぎてイメージがつけにくい。信頼関係もそうだが、いかに短期的なゴールを積み上げていくかが重要。


 
名村:諦める力。日本のカルチャーは世界の中でも独特で、オリジナリティが強い。今までの当たり前をたくさん変えていく必要がある。適応能力というか、諦める力が重要。
たとえば、日本のヤマトさんの配送に慣れていると、アメリカの配送なんてやばいと感じてしまう。なくなったとか普通にありますし、僕がUSへ行ったときにテレビを買ったんですが、二週間経っても届かず連絡したら「わかった、もう一度送る」と言われ、結果的に2個届いたり。プライベート仕事問わず、あらゆることで当たり前を超えることが起こるので、こういうのが普通なんだなって思う、「諦める力」が必要ですね。

江島:僕はソファが3回届きましたね。さんざん合理的とか言っといて何なのですが、やはりガッツは大事かなと思います。(海外でも)最後の最後で、度胸が試される場面はそれなりにあって。やはり自分が今まで経験したことのない分からないものの中に飛び込んでいくので、それをやり切る力、そして不確実性に向き合う力。そして、相当恥ずかしい思いもするので、それをいかに乗り越えていけるかが重要だと思います。


 
パネルディスカッションのあとは登壇者の皆さんも一緒に、交流会を開催。
 


 
今回は、第一回として「グローバルとは?」という大きなテーマで展開しましたが、パネルディスカッションでも皆さんからはグローバルという軸でさまざまな疑問や知りたいことが飛び出しました。
今後、まだまだ言語化されていない「Global Engineer」について、こちらのコミュニティで追求していきたいと思います。