働くひと

【検証】追い込まれた営業マンが、営業目的でYouTuberになると、どうなるのか検証してみた

 
 

稲垣:法人営業 兼 YouTuber 「がきおと英語と〇〇と
聴き手:外部の人
 
 

 
 

レアジョブ社内にYouTuberを発見しましたので、お話を伺いに来ました!稲垣さんa.k.aがきおさん、よろしくお願いします。

YouTuberという程の認識はないのですが、成り行きでそんな活動をしております。何でも聞いて下さい!

何がどうなってYouTubeチャンネルが開設された?!

 

 

まず何と言ってもスタートの経緯を聞きたいんですが、どのようなきっかけでYouTubeを始めたんですか?やっぱり「副業としてYouTubeやって荒稼ぎしてやろう、グヘヘ♡」みたいな感じですか?

いや、全くもってグヘヘ♡なスタートではなかったですね。むしろグヘヘの対極と言っても良いような経緯です。2020年4月まで話は遡るのですが、そのタイミングで今の法人営業のチームに異動してきまして、そしてそのタイミングで世の中がコロナ一色になったんですよね。

前任者から色々なお客さんを引き継ぎ、「さあこれから頑張るぞ」と思っていた矢先、このコロナの影響で一番大きいお客さんの案件をロストしました。着任して3営業日目くらいだったと思います。

お、着任早々、すこぶる幸先が悪いですね。

引き継ぎの挨拶を兼ねたオンライン商談のタイミングで、「コロナで状況が変わったので。」ということで継続予定の契約が流れてしまいました。

これはまずいと思い他の案件で数字を作るべく奔走したのですが、コロナで我々の顧客である人事の方々も在宅になってしまい、「在宅時に使える会社電話を持ってない」などいろいろな理由がもとで成果は得られず、一ヶ月ほどで予算達成に関してはほとんど絶望的と言ってもいい状況になってしまったんです。計画比、40%弱程度しか数字が出ていませんでした。

完全に終わりましたね。どうしたんですか?

窮地に追い詰められて、もう何か、何でも良いからやるしかないと思いチームメンバーとメルマガを始めました。「このようなご時世ですが、コロナだからこそ、うちはこんなことが出来る!!」と色々コンテンツを詰め込んでお客さんや代理店さんに送り続けたんです。しかし、これもあまり反応が良くない。

もう何をしたら良いか分からなくなり、トチ狂ったようにYouTubeチャンネルを開設しました。営業の為に開設したものだったので、我々の顧客である「英語研修の導入を検討している人事担当者」に向けたチャンネルです。

凄い!鬼のようにターゲットを絞ってますね(笑)

はい、めちゃくちゃ元気に、ハイテンションで、CEFRや英語研修設計のことを語るチャンネルです。

※CEFR:外国語のコミュニケーション能力を表す指標。欧米を中心に広く使われている国際標準規格。

斬新過ぎる(笑)

最初の数本くらいはイメージしていたんですが、さすがに対象を絞り過ぎてすぐに出す動画もなくなってしまいました(笑)

YouTubeをスタートした時の、周りのファーストリアクションは?!

 

 

実際、周りの反応とかってどうだったんですか?

なんか、そこまで期待していたわけではなかったんですが、意外と反応が良かったんですよね(笑)クライアントからも、代理店からも、ポジティブなリアクションが相当数ありました。

おお、メルマガとは打って変わって!何で動画はウケたんですかね?

何なんですかね?やっぱり顔出ししていることで覚悟が伝わったのか、理由はよく分からないんですがキャラクター的に愛してもらえるようになったのかな、と思いました。代理店の方も、明らかに距離を縮めて接してくれるようになったな、と。

社内のリアクションはどうだったんですか?

YouTubeを使って営業するのがどういうリアクションになるのか分からなかったので、隠してやるつもりだったんですよね。ただ、営業チームの人にチラっと報告したところ、予想外に社内に共有されてしまい、結局、取締役にも筒抜けてしまいました。

どうでした?

許可を取らずに勝手にやっていたので怒られるかもしれないと思い謝罪をしに行ったら、意外に反応が良くて「ここ、こうやったら良いんじゃない?」という感じでポジティブにフィードバックをくれました(笑)

おお!予想外の展開ですね。

それどころか、どうせやるならもう少しレベル上げてやったら?、という話にまでなって、僕1人でなく、広報を巻き込んでのプロジェクトという形になったんです。

まさかの、公認!!(笑)

動画の更新って大変じゃないんですか??

 

 

動画を更新するのって、大変じゃないんですか?企画、準備、撮影、編集…

けっこう大変です。編集は広報の荒川さんがやって下さっているのですが、10分くらいの動画を作るのに合計で10時間以上かかったこともありました。今でこそ効率的に動画を上げれるようになってきましたが、最初の頃は毎週かなりの時間をYouTubeのために使ってました。

やり始めの頃は楽しそうですけど、思うように登録者の伸びが鈍化してきたりすると、だんだんしんどくなってきそうです。

実際、営業目的で始めたYouTubeチャンネルですが、気づけばYouTubeが手段ではなく目的になってきていると感じることもありましたね(笑)

でも結局開設から1年弱経っても更新し続けてるのは凄いですね。

広報はじめ社内の人を巻き込みすぎて、投げ出せないと思ったのが大きいですね。あと、プライベートの友人にも宣伝しまくっていたため、中途半端に辞めたらめちゃくちゃダサく、恥ずかしいな、と(笑)

YouTubeチャンネルを続けて、どうなった?!

 

 

YouTubeを続けていく中で、何か変化していきましたか?周りの状況でも、がきおさん自身の内面的なものでも。

ちょっと自慢みたいになるので言いづらいんですが、チャンネルを開設して3-4ヶ月が経った頃からですかね、営業の数字が良くなりました。代理店さんも物凄く動いてくれるようになって、「こんな案件あるけど行けますか」と声をかけてくれるようになりました。

また、初商談のお客さんからも「たまに見てるから初めてな気がしない」など営業として多くのプラスがありましたね。結局、上期は101%で予算を達成することができたんです。

おお、絶望的な状況からのカムバックは凄いですね。

ありがとうございます(笑)状況がかなり逆風だったことを考えると、自分としては満足できる結果だったかなと思います。あとは何ですかね、純粋なプレゼン力が鍛えられたかな、とは思います。

プレゼン力が、YouTubeによって鍛えられたんですか?

はい(笑)言ったら僕のチャンネルって1人でプレゼンしてるだけみたいな動画が多いので、どうやったら人を惹きつけられるのかという点についてはトップYouTuberを参考にしながら、色々と研究をしました。

確かに。YouTubeって動画化されて残ってしまうし、考えてみれば見ている人のリアクションも可視化されてしまうので、相当追い込まれますね(笑)やっぱ営業にも生きるんですね。

はい、自分の中で、プロダクトを説明する際のポイントが明確になりました。何が本質的な価値か、それを最もシンプルかつクリティカルに伝えるにはどうしたら良いか、ということを整理し直すことができました。加えて、ニューノーマルで求められるオンライン商談の際に聞き手を惹きつける話し方を身に付けました。テンションの強弱、話の間、ボディランゲージ、これらに関しては相当自信がつきました。

以前は競合商品と迷っていると言われた場合に、半分くらいは取られてましたが、今は90%程度は勝てているので、結果でも変化があったかな、と思います。

良いですねえええ。ちなみに、最後になるんですが、「モテ度」はどうですか?YouTube経由で女性から連絡が来まくって対処しきれない、みたいな??

そうですね、人に見られているという意識だけが先行して無駄に美意識が上がり倒し、ランニングが習慣になり、食事も絞るようになり、化粧水もバシャバシャつけるようになり、撮影前にはワックスでエアリー感を出しているんですが、まだモテてはないですね。

おもろ過ぎます(笑) 今日は、色々とありがとうございました!

いえいえ!みんながみんなYouTubeチャンネルを開設しよう!ということでは全くないのですが、レアジョブにはこんな人もいるのか、程度に思っていただければと思います(笑)