働くひと

「地位も名誉も金もいらない。ただ興味あることにチャレンジしたい。」 多くのサービス立ち上げに関わった人が、今、レアジョブに来た理由。

福田侑也:レアジョブ コンシューマー事業本部 副本部長、マーケティング部 部長
 
大阪大学 大学院中退後、(株)PLAN-B、(株)プログリットを経て、(株)アトラグを創業。様々なサービス立ち上げに携わった後、2021年10月に(株)レアジョブ入社。
聞き手:話を聞くために雇われた外部の人。聞きたいことを聞く。

大学院を中退してベンチャー?

(株)PLAN-Bって、ウェブマーケティング系のベンチャーですよね?阪大の院からと考えると、珍しくないですか?

たしかに、周りは皆大手の研究職に就いていたので、そういう意味では珍しいかもしれないです。

どういう経緯だったんですか?

 

 

もともと大学院で破壊力学という、まさに“破壊”という現象を定量的に取り扱う学問を専攻しており、鉄鋼の強度を研究する学科にいました。

いくつかの材料は特定の環境下で非常に脆くなることが分かっており、例えばタイタニック号は実は、人間がハンマーを叩いただけで割れるくらいの強度しかなかったという研究結果もあります。ちょっと面白いですよね。まあ、実際のところ、僕は「大きな建造物の方がカッコイイなああ〜〜〜」くらいのノリで研究していたんですが。

学会で賞を貰ったりもしていて、この道も悪くはなかったのですが、30年に一度くらいしか技術革新が起きない分野でして、刺激が少なかったんですよね。「え、このまま研究し続けたとして、経験できる革新って、人生で二個?」と。

それで研究職ではなくてベンチャーみたいなところが良いかなと思って、色々な企業の社長に会っていました。たまたま梅田の就活イベントでPLAN-Bの社長と知り合い、「気が狂っているな」と思い、入社を決めました。それと同時に大学院も中退しました。

いきなり中退?福田さんもだいぶ狂っていますね。ウェブマーケティングには興味あったんですか?

いや、何をやっている会社かよく分からず入社しちゃったんですよね。前日に会社案内のパンフレット見て、会社の大まかな情報を初めて知りました。あと、当時は年収が300万円に満たないということも。

阪大の同期からは、年収面ではかなり引き離されてしまいましたね。入社してからはどんな感じだったんですか?

 

 

僕は3月末に中退してそのまま4月1日に入社したので、前の年の新卒と同期になったんですよね。1年間内定者で過ごしていた15人のグループに、入社前日、突如として僕が現れた感じです。ちょっと変なやつという扱いになりましたね。

しかも、阪大の同期は30歳で1,000万円くらい貰うのに自分は現時点ではそのビジョンは見えてないわけです。もうよく分からないけど頑張り倒すしかないなと。とにかくギラギラしてました。

その後1年くらいが経ち、上司に引っ張られて新規事業の部署に異動して突然マネジメントを任されます。オウンドメディアの立ち上げ支援みたいなことをしようということで、ライター10人と編集者5人の指揮を取ることになりました。

おお、2年目で凄いですね。どうだったんですか?

最悪でしたね。全くマネジメントができなかった。メンバーの言っていることには一切耳を傾けず、自分の最適解を押し付けるスタイルだったので、誰もついて来てくれなかった。

ワオ。唯我独尊の権化ですね。

それからは恐らく、会社で僕のマネジメント能力を育てようという方針になったんだと思いますが、3年近く色々なマネジメントポジションを転々とさせてもらいました。マネジメントをとにかく一生懸命考え続けたという感じです。

会社も上場準備に入っていて、自分も評価してもらってはいたので、部長になって執行役員になって…という風に進んでいくんだろうな、と思っていたタイミングで、(株)プログリットを立ち上げていた大学同期の岡田に声をかけてもらいまいた。

当時サービスが伸びて来て月商2,000万円くらいになっているタイミングで、社長自らマーケティングをやっていたので手伝ってくれないか、と。

伸びている会社に身を置いてみるのも楽しそうだな、ということで、プログリットに転職しました。

転職先はさらにハードな状況のスタートアップ… ?

プログリットはどうでした?

 

 

同じタイミングで入社したCMOがいたんですが、当時会社が持っていたキャッシュのほとんどを投じたテレビCMでコケて一瞬で退職してしまい、結果、会社の現金が枯渇した中、社長と二人三脚でマーケティングを実行していくことになりました。

めちゃくちゃハードモードですね。

社運をかけたテレビCMが全国で放送されたまさにその日、さあ問い合わせが爆発するぞという期待感の中、ピクリとも動かないアナリティクスを凝視していたのをよく覚えています。血の気が引くとは、あのことですね。

それからは、毎月、「今月この目標達成しなかったら会社潰れるぞ。」という圧力の中で必死にマーケティングしていました。本当に濃密でしたね。

結果的に、やるべきことをやっていたらどんどんと売り上げが伸びて、約1年半で月商が3,000万円くらいから2億円くらいまで伸びました。本田圭佑氏など著名人も使ってくれるようになり、スタートアップ界隈中心に色々な人が「プログリットは凄い」と言ってくれるようになったタイミングです。

逃げずにいたことが何より凄いですね。

結局、マーケティングに関していうとこの期間に多くの価値あることを学んだという感じです。この後独立してマーケティングの支援などをやるんですが、実質的にはプログリット時代に得たノウハウの切り売りに近いなと思っていました。

程なくしてプログリットが上場の準備に入り、SO(ストックオプション)の話が出て来たんですが、SOが行使できるまで待つとなると、35歳くらいになっている計算でした。35歳というと結婚もしていて、人生も見えてしまっているかもしれない。それからさらに挑戦というマインドではないかもしれない。

そんなことを考えて、結局プログリットをやめ、独立しました。

独立すると…?

結構、直感的に、面白そうなことや刺激を求めてキャリアを選択しているように感じます。

それは本当にそうだと思いますね。

独立してからはどうでしたか?

 

 

個人としてマーケティングのコンサルでキャッシュを作りながら、色々なチームでサービスを立ち上げましたね。

本当に何か色々なことをしていたので記憶もごちゃごちゃなのですが、まず知人と共にフードテックベンチャーを立ち上げました。

冷凍弁当のECサービス事業だったのですが、創業メンバーと陳列する商品数に関しての見解で食い違い、僕は抜けました。今はピボットして、GO FOODというサービスになっています。

あとはWebRTCという技術を使って何かできないかと思い、オンラインのヨガのプラットフォームを作りました。エンジニアを雇って、デザイナーをTwitterで集めて、と超どろくさいスタートアップ的な開発をしてましたね。

このサービスは、作り終えていざ公開という状態にまでなったタイミングで、「自分って何のためにこの事業やってるんだっけ?」と我に返り、公開を中止。

ちょうどその頃、個人でやっていたマーケコンサルで月に200-300万円は稼げるようになって来ていたので、金稼ぎというモチベーションも削がれていたということも関係あるかもしれません。

そのあたりで、自分にはビジョンがないなと思い始めました。だったら、ビジョンを持っている人に会おうと画策し、ビジョンだけは誰よりも持っていそうな広告代理店の社長に出会い、取締役で会社に入って何故かバチェラーと毎週一緒に仕事をしたり、コーチング型予備校サービスを立ち上げたり…。

まあ、総じて、色々やっていたけど“責任”がないと、プログリットで過ごした時のようなジリジリとした緊張感は生まれないし、大きなことも成し遂げられないなぁ、と思いました。悶々と時間を過ごしていましたね。

独立すれば刺激的になる、というわけでもないんですね。

そうですね。そんな折に、取引を始めたことでレアジョブとのコミュニケーションが始まり、何か今の自分が求めている場所がここにあると直感的に思い、レアジョブに入ったという運びです。

レアジョブに来た理由とは…?

レアジョブからはどのようなことを期待されているんですか?

レアジョブのこれまでは、既にニーズが顕在化しているユーザーに新規入会してもらうためのマーケティング活動を主としていました。

ですが、漠然とそれだけでは良くないという課題を持たれていたこともあって、レアジョブのマーケティング活動を一段上のものにすることを期待していただき、オファーをいただきました。

福田さんにとっても興味のあるオファーだったんですか?

 

 

そうですね。レアジョブって、200億円、300億円を目指していくフェーズじゃないですか。圧倒的に様々なリソースがあって、プログリットとはフェーズが全く違う。なのに、課題は相当多そうだと感じたんですよね。組織課題がどんどん出て来ている匂いが、ぷんぷんした。自分が解決しにいったら解決できるのだろうか、という興味が湧き出て来ました。

今まで色々やってみて明確になったんですが、自分は別にたくさんのお金を得たいわけでも、地位や名誉がほしいわけでも、なんでもないんですよね。ただ、自分の興味あることにチャレンジしたいだけなんです。

レアジョブの、この規模感の会社の抱える問題を、自分が解決できるのか。このお題が今の自分にとって程よくチャレンジングなんです。そういう意味で、レアジョブでの仕事に今はかなりワクワクしています。

〜終〜