働くひと

AIを活用した採点自動化で語学試験を変革できるか。-「PROGOS」の可能性とは-

 
 

安藤:法人事業本部 副本部長
   多数の教育系企業にて、役員を歴任後、2020年レアジョブに入社 
高柳:アセスメント事業部 部長
   カカクコム社にて広告事業の事業部長。2020年レアジョブ に入社
徳永:アセスメント事業部
   リクルートにて教育サービスの営業に従事。2020年にレアジョブ に入社
聴き手:外部の人
 
 

レアジョブが「PROGOS」でサービスを強化することで、企業や学校の現場は、どうかわるのか?

 

グローバル人材の評価・育成関連サービスでめざすものは何ですか?

人が持っている能力やスキルを可視化する、誰でもわかるモノサシを提供し、それをグローバル人材育成のインフラにすることで、変革を起こせると思っています。

たとえば山登りにたとえると、「今の場所とめざすゴールを明らかにして、自分に最適なルートをぱっと見つけることを可能にしましょう」ということです。実は、グローバル人材育成の分野では、誰にでもわかる地図やコンパスにあたるものがまだ定着していないんです。だから、迷ったり遠回りしちゃったりして、ゴールにたどり着けないでいるんじゃないか。

山登りには誰でもわかる地図やコンパスがすでにありますが、さらにGPSやドローンが活用されていますよね。人材育成も、汎用的なモノサシを作って、テクノロジーを活用すれば、もっと大きく変えられるはず。

「この人はどのくらいグローバルビジネスで活躍できるんだろう?」
「あ、『PROGOS』〇〇でこのくらいだね」
「じゃ、目標まであと2レベルアップ。来月は、このメニューをこなしたらOKだね」

オフィスでの日常風景にこんな会話が聞こえてくる。ここまで定着している状態が、インフラ化のイメージですね。
中長期的には、グローバルビジネスを行う上で誰もが必要とする能力・スキルについては、すべてカバーしていきたいと思っています。さらに、そんなスキルを持っていることを示せるようなサービスも提供したいと考えています。

そうした人材育成サービスを提供するために、今、取り組んでいることは何ですか?

グローバルビジネスに必要な能力・スキルを育成するうえで、ずばり喫緊の課題は、英語スピーキング力の不足、そしてその手前にある可視化です。現在は、入口にあたるこのボトルネックの克服に取り組んでいます。

「あなたは英語を話せますか?」…と聞かれたときに、客観的に伝えられる言葉って、ぱっと思いつかないですよね。

たしかに。そうですね。謙遜含めて、旅行で困らないくらいには・・とか回答することが多いですね。

そうなんです。理由はふたつ。まず誰でもわかる共通のモノサシがないから。そして、英語スピーキングテストってちょっと敷居が高くて、あまり普及していないからなんです。

それを解決するために、まず共通のモノサシとして、語学力の世界的標準であるCEFRを採用。そして、既存のスピーキングテストの概念を打ち破って、便利で安くて気軽に、ビジネスで本当に使える英語スピーキング力を測れるビジネス英語スピーキングテスト「PROGOS」をつくりました。

人による採点しかできなかった自由回答問題を、AI活用で自動採点できるようになったのが、画期的なポイントです。このブレークスルーは、教育界のオスカー賞と言われるReimagine Education Awardの銀賞受賞により、世界的にも認められています。

「自動採点だと受験後2,3分で戻ってきて、実力がすぐにわかり、次にどんな学習をすればよいかもわかる。モチベーションが高まりました」
「今までスピーキング力研修を漫然と行っていましたが、海外のライバル企業はCEFRでB2が採用要件と聞いて、わが社でもまずはB1、次にB2クリアをゴールに研修体系を全面的に見直しました」

こんな変化を目の当たりにして、「PROGOS」を使い、CEFRという「モノサシ」でスピーキングレベルを定量化することで、これまでの英語学習をひっくり返せると実感しています。

 

 

これからどんな風にビジネス英語スピーキングテスト「PROGOS」を広めていくのですか?

要は、企業の人材戦略に組み込んでいただくことです。多くの企業では、社員の能力やスキルの可視化、スキルアップ、そしてそのデータの活用に積極的に取り組んでいます。社員の英語力も然り。特に、英語スピーキング力を把握することのニーズが益々高まっています。

「グローバル戦略を実現するために、今の社員の皆さんのスキルは十分でしょうか?定量的に把握されていますか?」「スキルアップのための学習する文化は広まっていますか?」

こんな対話を通して、一社で何千何万人という社員を対象に「PROGOS」の受験機会を提供していきます。また、その結果を分析することで、グローバル人材育成のさまざまなコンサルテーションも可能になるんです。

さらに、人材関連サービス事業者や英語教育機関でも、便利で低コストなスピーキング力可視化に対するニーズは高く、こうした要望にもスピーディーに対応していきます。

試行錯誤しながらも、「PROGOS」によるCEFRというモノサシを世の中に浸透させ、英語学習の概念を変えていく。さらに、グローバルリーダーになりうる人材育成を実現するためのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推し進めている感じですね。

 

それを実現する組織とは?

 

アセスメント事業部ってどんな組織なんですか?

現在、全社をあげてこの「PROGOS」の事業を成功させようと重点が置かれていて、それを担う要の部署ですね。コンセプトも機能も、市場のニーズにフィットしているという手ごたえをビンビン感じますので、あとはこれをいかに早く世の中に浸透させていくか。これをまずやり切っていく必要があります。

 

 

事業部の役割としては、プロダクトの企画、サービスとしての設計の部分から実際のお客様への提案、導入支援、レポーティングまでを一貫して行っています。
まぁ、「PROGOS」に関する何でも屋とも言えますが。

なんでもやるということは大人数の組織なんですか?

いえ、今は3人だけです(笑)

実はこの少人数っていうのが、すごくスピード感と自由度があっていいんです。課題共有、意思疎通、方向付け、アクションにムダがないですね。しかもみんな、事業全体の目線を持って「何でもやろう!」という空気があります。

とはいっても「PROGOS」は全社あげての事業であり、社内横断的なプロジェクトがあります。また、機能的には開発、技術、EdTech、品質管理、営業、販売、カスタマーサービス、運用、採点…など、社内他部署とそれぞれと深く連携し、しかもみんなが同じ目線で動いてくれるところがすごい。こんなにたくさんの部門と同じベクトルで密に連携できる事業は、わりとめずらしいんではないかと思います。

具体的にはどのように動いているんですか?

たとえば、新しい機能が必要になった場合、「〇〇というニーズに応えるために△△な機能が必要!」というところまでを描く。そして、その機能の実装に必要なスキルを持った社内の人をアサインし、プロジェクトを完了まで牽引する…というのが、我々の役割になりますね。

営業は事業部独自でやるんですか?

大きくは2つのケースがあります。

ひとつは、当社の法人営業部隊との連携です。法人営業としては当社のソリューションを全般的に取り扱っていますので、営業が日々コミュニケーションしている企業から「PROGOS」のニーズが出てきた場合に、営業を支援する形で商談に参加したり、導入が決まった後の工程を巻き取ったりしていきます。

もうひとつは事業部独自のコンサルティング営業ですね。法人営業で当たっていない領域で「PROGOS」のニーズを発掘し、我々が直接サービスのご紹介からさせていただきます。また、こちらの領域では他企業とのアライアンスも含めて対応していきます。

法人営業部隊とは毎日密に対面やチャットでやり取りして、新しいアイデアを出し合ったりしながらお互いに「すごいな!」と刺激しあってます。

 

 

これからどんな人と働きたいですか?

一番大事にしたいのは「PROGOS」が描いている世界観、新たなグローバル人材育成のインフラをつくるっていう社会的意義に共感してくれる人ですね。
私自身、入社前にこの話をきいて、世の中に変革をもたらすことに使命感を燃やして入社を決めました。今も燃えてます!

あとはやり切る力を持った人。実行力は非常に重要な要素だと考えています。

アセスメント事業部で働くことの魅力ってなんですか?

やっぱり、事業の社会的意義を感じられることが一番ですかね。グローバル人材育成のインフラづくりって、遠大なことに思えますが、日々のユーザーからの手ごたえから「いける!」って感じるんです。問題意識を共有し、「PROGOS」の新しい価値を理解していただく。その企業・団体の課題解決に「PROGOS」がどんなふうに活かせて、どうやって浸透させていくか。一緒に悩んだり考えたりできる関係性をお客様と築けると、モチベーションが上がりますね。個人受験者からの反応も同じです。私たち以上に「PROGOS」大好きな受験者の方が増えてます!

それから、「PROGOS」の事業に主役として関われることです!(笑)…って、これだけだとわからないと思いますが

ひとつの事業を俯瞰し、横串で一貫して携われる。そして時間軸では、猛スピードで立ち上げから普及まで体験できる。そんな醍醐味を味わえます。事業を動かしていく上で何が重要か、見る目を養えるんですよ。これって、キャリア上でもすごくプラスになる体験だと思うんです。

視座を上げて、できるだけ解像度高く事業の未来を考えること。そして、周りを巻き込んで実行すること。これがこの事業部で働く上でとても大切だし、しっかりと鍛えられますね。…と、言うは易く行うは難しで、日々苦労してますが(笑)。

「PROGOS」を広めていく段階のワクワク感が味わえて、しかもそれが共有することができます。しっかりと普及が進んでいくった時の達成感は、相当実感できると思います。