新しい教育

レアジョブのPdMが英語学習プロダクトで思うこと

 
 
 

松山:上席執行役員 コンシューマ事業本部長 | ヤフー、楽天を経て、レアジョブ入社。
日本フィリピンのシステム部を横断的にマネジメントし、2017年プロダクト本部長就任。現在は、上席執行役員 コンシューマ事業本部長としてマーケティング、プロダクト企画、CSを率いる。

レアジョブのPdMと仕事

 
初めまして、株式会社レアジョブで上席執行役員 コンシューマ事業本部長をしています松山と申します。

今回はレアジョブのPdMがプロダクトについて考えていることをお話しさせていただこうと思います。
 

 
レアジョブのPdMといっても、基本的には他社のPdMと同じです。
売り上げや利益の数字を追うのはもちろん、プロダクトのあるべき姿を描き、実現するための予算確保、共に働く仲間を探す…など、各所の調整から進行管理といった業務を行なっています。
そのなかでも特に、今後見据えているプロダクトの姿についてお話しさせていただこうと思います。

最初に、レアジョブのPdMが考えていることをまとめてみました。

英語学習プロダクトにおいて
1. 人に依存しすぎている部分をテクノロジーでアップデートする
2. 人でなければできないことにフォーカスする
3. 上記2点を通して、受講者が目標を持って学習を継続でき、確実に成果を得られるプロダクトを実現する

人への依存をアップデート

 
まず「人に依存しすぎている」という部分ですが、これまでの英語学習の大部分は人への依存で成立していました。講師は人、どう学ぶかも人が考え、進捗管理も人、試験も人が作り、評価も人、そしてそれらを直接対面で行うという形式です。

人への依存が悪いという意味ではありません。むしろ、人が持っている力は非常に強く、即時性があり、空気感などによっても多くの情報を伝達できます。
また、テクノロジーを用いても再現できないものも、たくさんあります。

しかし、その一方で限定的な面も多いことは否めません。例を挙げると「物理的な距離を超えるのが難しい」「記憶容量に限界がある」「再現性の担保が難しい」「人的リソースの確保が難しい」といった点があります。

本来、そういった限定的な側面では人に依存すべきでありません。しかし現状は、人間が必ずしも得意ではない単純作業でさえも依存の対象となっています。その結果“人が注力すべき得意分野”がおろそかになってしまうことがあるのです。

そういった点をアップデートする、言い換えるとテクノロジーを用いて、より良い選択肢を取れるようにすることを目指していきたいと考えています。

人でなければできないことにフォーカスする

また、「人でなければできないことにフォーカスする」という点ですが、上述の通り、テクノロジーの活用は、人が行うよりも良い選択肢を提示してくれます。一方で、相手に共感したり、思いやる心を伝えたり、相手の承認欲求を満たすということは、機械で実現するのはまだ難しいと判断しています。

そのため、人でなければ難しいポイントを切り分けるのがよいでしょう。
たとえば、受講者が気持ちよく、かつ効率的に学習できる内容と振る舞いをレッスンで提供する、カウンセリングでは悩みを解決しながらモチベートする…といったソフト面は、人によってフォーカスするべきだと考えています。
もちろん、講師やカウンセラーが最大限のパフォーマンスを発揮できるような技術的支援は並行して考えていきます。

レアジョブのPdMと目指す未来

 
冒頭で申し上げた

・人に依存しすぎている部分をテクノロジーでアップデートする
・人でなければできないことにフォーカスする
・上記2点を通して、受講者が目標を持って学習を継続でき、確実に成果を得られるプロダクトを実現する

これらを実現していく上で、レアジョブでは「常にデータで一気通貫した学びの状態を作り上げること」が重要と考えています。
具体的には、英語学習における“アセスメント”、“レコメンド”、“学習内容””学習の継続”の4つが大きく作用してきます。

今回は、この4つポイントの中から、”アセスメント””レコメンド””学習内容”の3つについてお伝えします。

アセスメント

 
まず、変わってくるのはアセスメント(評価)です。
すべての受講者に対して「成長に必要な評価」を「必要な時」に「必要なだけ」提供することを目指していきたいと考えています。

たとえば、現状当たり前となっている「人が行う評価」には、どうしても時間の制約がついて回ります。もちろん、これが悪いと言うつもりは決してありません。
対応できる数を増やすために、新しく人材を採用してトレーニングする…という選択肢もあります。しかし、人で対応しようとする限りは、作業に限界があるという状況です。

しかし、テクノロジーを用いてアップデートができれば、再現性を持って即時に大量のデータを捌くことができます。そうすると、学習者は『「必要な時」に成長に必要な評価』を知ることができるようになります。

これにより、データで一気通貫した学びに必要な最初のピースである「現状の能力」を、学習者は知ることができます。

学習すべき内容のレコメンド

 
さて、現状の能力が判明し、どの程度成長したいかが決まれば、あとはその差分を埋めるだけです。とはいえ、今まではアセスメントの結果に対して、ある程度決められたカリキュラムのなかにある教材をレコメンドされる(薦められる)という状況でした。

しかし、これだけ世の中に学習コンテンツが溢れているにもかかわらず、限られた範囲内からしか提案されないという状況は、果たしてその学習者にとって最適と言えるでしょうか。
また、学習計画も同様に、決められた内容を組み合わせるだけでは、名ばかりの計画になってしまうかもしれません。

そこで、レアジョブではアセスメントのデータや過去の成長データをもとに、数万数十万、それ以上の数の学習コンテンツのなかから、学習者に個別最適化されたものを推薦できるようにします。そして、その学習をいつまでに、何回行うべきかという計画が、常にアップデートされる状況を作りたいと考えています。

アセスメントの結果を最大限活かすためにも、結果に対してできるだけ詳細な打ち手を提案していくことが、学習者にとってより良い環境ではないかと考えています。

学習内容自体の変化

 
最後に学習内容についてですが、レッスン時間外とレッスン中の両方で変化が見られます。

まず、レッスン時間外では上述の通り、個別に最適化された学習コンテンツを利用し、デバイスを制限することなく、いつでもどこでも好きなタイミングで学習できるようになります。
しかし、ただ学習できるだけでは、今までと大きく変わりません。
大きく変わるのは、その学習データがレッスン中にも活用されるという点です。

つまり、レッスン時間外に学習した結果を講師が把握した上で、それを踏まえたレッスンを提供したいと考えているのです。
実際のところ、今まではレッスン中でしか最適化を図れませんでした。しかし、きちんとレッスン時間外のデータを活用すれば、今よりも一層一人ひとりの能力に合わせて個別最適なレッスンを提供できるようになると考えています。

以上を踏まえ、アセスメントから学習内容のレコメンド、レッスン内外がデータでつながることで、より良い学習環境を学習者に提供できると考えています。

最後に

 
今回、我々の考える未来の一つの形をお話しさせていただきました。すべては当社のビジョンである“Chances for everyone, everywhere.”と、サービスミッションの「日本人1,000万人を英語が話せるようにする。」を実現するための手段の一つでしかありません。

今回お話しさせていただいた以外の未来も当然あるでしょう。また、そういった未来を共に想像し、創造していける方とともに働きたいと思っています。

少しでもご興味をお持ちいただいた方は、ぜひお気軽にお声がけいただければと思います。
レアジョブで共に働きましょう。