Thank you for Skype!!
2025年5月、あるサービスの提供終了が発表されています。それは、通話・チャットサービスの「Skype(スカイプ)」です。通話品質が高く、無料でも利用できるサービスとして2000年代後半から爆発的に普及したサービスが幕を下ろすこととなりました。
最先端だった「Skype英会話」
当社の「レアジョブ英会話」も、かつては“Skype英会話”と呼ばれていた時代がありました。フィリピン人講師と日本人の英語学習者が、Skypeを通してレッスンを行っていたからです。早朝から深夜まで好きな時間に、自宅に居ながらにして学習できる手軽さが、通学型スクールにはない魅力として人気となりました。その点で、当社にとってSkypeはサービス発展に不可欠なツールだったと言えます。
Skypeがサービス開始したのは2003年までさかのぼります。ある調査では、2005年時点の日本におけるSkype利用ユーザーは約130万人と推測される、というデータがあります。それが、当時の日本のインターネット利用者の約1.8%程度だったと考えると、当時のSkypeは非常に先進的なサービスだったとうかがえます。
同時に、「レアジョブ英会話」は最先端のテクノロジーをサービスに取り込んだ画期的なサービスだっと言えそうです(Skypeに使われている技術は、当社代表の中村が大学院で研究していた分野でもありました)
そして2000年代後半になると、「レアジョブ英会話」以外にもオンライン英会話サービス事業者が続々と登場しました。DMM英会話やビズメイツなどもSkypeを利用したサービス提供を行っており、オンライン英会話産業の発展はSkypeの普及とともにあったといっても過言ではありません。
手動オペレーションでサービス提供
Skypeを使って講師と受講者をつなぐレッスンの裏側にあるオペレーションは、試行錯誤の連続でした。講師が受講者のSkype IDにコールしてレッスンを行う運用なので、講師の在席状況は手動で確認しなくてはいけません。提供予定のレッスン開始前に事務局から講師にコールし、もし応答がなければ別の講師がレッスン提供するように手配したりしていました。
技術の進化とともに手作業を少しずつ自動化していきましたが、P2P(ピアツーピアネットワークの略。サーバを介さずに各端末が直接通信すというSkypeが採用していた技術)の性質上、両者オンラインでも繋がらないことがありました。そんな時は、事務局から3者通話を行い、生徒様と講師をつないだりもしていました。今になって考えると斬新なレッスン提供を行っていたのも、Skype時代の特徴的な出来事です。
独自開発のシステムへと進化
2010年代半ばになると、当社においてもテクノロジーの進化とともに自社開発のシステムによるレッスン提供の可能性を探り始めました。
2015年には、WebRTCを使った双方向コミュニケーションプラットフォームを提供するFacePeer株式会社に資本参画。Skypeを使わない独自のレッスン提供システムの開発に向けて動き始めます。2017年、中学生以上を対象にタブレットで学ぶ学習サービス「Z会 Asteria(アステリア)」のラインナップにおける「英語4技能講座」で、Online Speakingを共同開発したのが最初のサービスです。
その後、主力サービスの「レアジョブ英会話」向けのシステムも開発し、2018年に「レッスンルーム」をリリース。使いやすさの点で学習体験を向上させるとともに、音声データを活用したサービス改善もできるようになりました。
AIも活用し、さらなる発展へ
2022年11月のChatGPTリリースをひとつの契機として、今やあらゆるサービスにAIの活用が不可欠になりつつあります。「レアジョブ英会話」においても、レッスン中の会話をサポートする「レッスンAIアシスタント」や、英会話レッスンの復習を効率化する「AIレッスンレポート」を提供しています。また、AI講師とチャット形式でレッスンを行える「AI英会話β」も利用していただけるようになりました。
Skypeからレッスンルーム、そしてAIへ。EdTechカンパニーとしてテクノロジーの進化を見つめ、取り込みながら、常にサービスを発展させ続けています。