Mobile Developer|羽田 健太郎
新卒でヤフー株式会社に入社し、インフラのオペレーション改善や、iOSアプリ開発に従事。プライベートではハッカソンに参加したり、Go言語でWebサービス開発をしているマルチプレイヤー。2016年レアジョブで唯一のMobile Developerとして入社し、ネイティブアプリケーション(iOS/Android)やフロントエンドwebのチーム作りを担当。WebRTC技術を活用したサービス化のエンジニア責任者として、日本フィリピンを横断し、ブロダクト企画から開発、運用まで担っている。
6/14(木)に幕張メッセで開催されたAPPS JAPAN 2018において、
「WebRTCのビデオ通話でユーザ体験を変えるWebRTCの最新事例集」というセッションに登壇し、
レアジョブの取り組みについてお話しをしてきました。
セッションのレポートやそこで感じた英語学習のこれからについて書いていきたいと思います。
セッションレポート
セッションは、NTTコミュニケーションズ(株)技術開発部 担当課長の大津谷さんをモデレーターとし、ココナラ開発グループ グループマネージャ 岡本さんと、私レアジョブ羽田で行いました。
セッションは、NTT コミュニケーション/SkyWayの大津谷さんの挨拶でスタート。
『WebRTCは昔からある技術ですが、フルスタックな技術が必要だったこともあり、当社のようなWebRTCのプラットフォーム事業者の事業が本格化したのは2年前のこと。去年Safariなども追加し、ブラウザ対応が9割を超えました。今日は、先人(ひとばしらw)の知恵に学ぶとし、「先に苦労した先人の知恵に学んでください」』
自分の人生が売り物になるというCtoCのスキルシェアサービスを提供しているココナラさんのWebRTCの活用事例では、従来のテキストと電話だけのサービスをさらに使い勝手をよくするために、WebRTCの導入を検討した。WebRTCの技術は、導入のハードルが高くサービス化するためには時間とコストの投下が大変だから、ココナラさんは、twiliioを導入したそう。
『WebRTCを導入し、サービスの提供側が考えることが増えた。健全なやりとりが行われているのかを第3者として監視する必要があります。CSチームで、人が監視するとなると、オペレーションの設計が膨大になってしまう。これを解決したのが、WebRTC技術のtwiliioさん。言葉に関しては文字起こしをして、NGワードに関しては、AIやマシンラーニングの導入し、NGワードを判定するようにもできるようにするなども、今後検討していく』
CtoCのサービスなどは監視の重要度が高いため、録音録画ができるtwillioはマッチしていますね!ここはSkyWayではサポートしていない機能なので羨ましいです。
(文字起こしやNGワードなどは英語学習サービスでもニーズは有るし、プラットフォームでなく利用会社側で作っていくと思うので、今後も積極的に技術交流できると嬉しいです。)
WebRTCで実現するレアジョブの新しいユーザー体験とは?
英語学習サービスは、すでに様々なサービスが出ているのが現状です。
これまでと異なり、これからの英語学習は、
「アダプティブ」「コーチング」「オンライン&オフライン」などの
新しいトレンドを各企業が作るフェーズだと思っています。
新しい英語学習「英語学習3.0」に向けて、今までSkypeを使っていたゆえにリーチできていなかったレッスンの中身に対してより精緻な分析を行い、機能・コンテンツ提案をしてくために、レアジョブではレッスンシステムのWebRTC化を進めています。プレスリリースも出させていていただきましたが、今年3月より「レッスンルーム」というサービスとして、iOS/Android/webプラウザにてWebRTCを活用したプロダクトを一部のお客様向けにリリースしています。
また、法人顧客向けのサービス「おもてなし英語応対コース」のサービスでもWebRTCを活用し、PCをお持ちでないお客様でもご利用いただけるサービスをリリースしました。SkypeからSkyWayのプラットフォームを利用した自社システムにリプレイスすることで、よりお客様の体験を改善しています。
WebRTCの技術(Skywayへの要望含む)的な課題と解決
WebRTC技術を導入をして3ヶ月ほどになりますが、NTTコミュニケーションの大津谷さんの言葉にあったようにまさに「総合格闘技」だと感じています。
SDKがどれほどシンプルで、ドキュメントが豊富でも使い方一つ・エンジニアの実装方法一つで「繋がらない」という事象が起きます。弊社の多くのお客様は30分あたりの1レッスンを受けるのにスケジュールを確認し事前に準備をしてきてくれるので、これが提供できなかったりレッスンが受講しにくい状況ができてしまうのは大きな問題です。
そのため、弊社では「問題の切り分け」「問題の検知」を適切に実施するためにOSSを使った分析基盤の構築とbotによるレッスンの監視を実施しています。「問題の切り分け」に関してはインフラチームと連携してredash/kibanaを使い、アプリケーションログとアクセスログからユーザーの動向や接続の可否などをロギング・分析しています。これにより問い合わせに対しても問題がお客様起因か講師起因か、またはシステムかデバイスなどか?を調査しやすくしています。
「問題の検知」に関しては、弊社のチャットシステム上にbotが毎時レッスンの接続できたかどうかや入室したかどうかを投稿しています。
またそれだけでなく、接続率の悪い講師⇒環境に問題のある可能性のある講師 を早期に検知するためにも講師の接続状況なども監視しており、
デバイスなど問題が有ることを気づきにくい部分に対しても対策をしています。botはtypescript/node-cron/pm2で1時間くらいで書きました、作ってよかったです。
レアジョブのプロダクトの未来
セッションの最後に、NTTコミュニケーションの大津谷さんから、これからのWebRTCとし、2018年の3つの出来事を予想されていました。
・サーバーサイド WebRTC
・IoT × WebRTC
・VR × WebRTC
大津谷さんの「未来に続く」という言葉で、セッションは終了しました。
WebRTCはすでに技術としては浸透していますが、まだまだ改善や何を掛け合わせるかというところで無限の可能性があると感じています。
これまでSkypeで実現できなかった多くのことを自社でできるようになったので、エンジニアとしてビジネス的にも技術領域的にもデータ的にも、今の弊社は非常に面白いフェーズだと感じています。
WebRTCも英語教育もシンプルなようで奥が深く色々な技術を掛け合わせて、面白いプロダクトをたくさん作れる領域なので面白いエンジニアの皆さんと働ける日をお待ちしています。