レアジョブについて

“個々が強みを活かす”カスタマーサポートのチーム作りで工夫していること

レアジョブ Customer Success Team リーダー |稲永
大手BPO会社にて、ビジネスプロセスやカスタマーサポートのオペレーションデザイン、運営、CRM活動を担う。顧客DB・Webアクセスログ・VOCなどの運用ノウハウをもとにしたサポート体制の構築方法、設計を強みとしている。2017年レアジョブ入社。Customer Success Teamのチームリーダーとして、レアジョブ英会話のカスタマーサポート並びにカウンセリングサービスのサービス企画、チームビルディング、サポートデザインを担当している。

重要なのは、レアジョブ英会話が使えることではなく、お客様の学習支援

「コールの応答率やメール回答率だけがカスタマーサポートなんでしょうか」

カスタマーサポートに関わる人なら、きっと一度は発している言葉かもしれません(笑)
わたしも、長くカスタマーサポートという仕事に携わっていますが、一緒に働くスタッフから何度も相談された言葉です。

カスタマーサポートの役割は文字通り、お客様のご利用をサポートすることですが、日々の運用の中では、サービスに対する不満の解消や、至らない点へのご指摘を真摯に受け止めてお詫びをすることに、フォーカスされがちだと思っています。

もちろん、サービスの改善やお詫びにより、お客様のサティスファクションの向上を目指すことは重要な活動ではありますが、「レアジョブ英会話」というサービスは、”お客様が英語を話せるようになる”ためのサービスであり、単に、便利に、楽しくという点のみを充たせばいいものではないと思っています。

上記の観点に立った場合、時としてお客様の意図しないご案内が必要な場合もあります。

例えば、レアジョブ英会話のカスタマーサポートの1つであるカウンセリングサービスでは、毎日50分(25分/レッスン×2回)のレッスンを受けたいというお客様がいた場合、対話の中で、お客様のライフサイクルや、英語学習のご経験により、毎日2回のレッスンを継続的に受講することが難しいと判断し、毎日25分(25分/レッスン×1回)のプランを進めるケースも少なくありません。

これは、お客様の学習モチベーションを下げる可能性もあるだけではなく、サービスの売上も減額(いわゆるダウンセル)となるため、企業の利益を最優先に考えれば案内すべき内容ではないですが、中長期的にみて、お客様が英語を話せるようになることを実現できると確信できる場合は、理由とともにご説明を差し上げています。

 

CSスタッフの英語学習経験をサービスに生かす

前段のような運用を行うためには当然、スタッフの管理面での工夫も必要となります。

例えば、通常「通話モニタリング」というのは、スタッフが、正しく案内を行えているか、失礼な対応をしていないかという観点で行いますが、弊社の場合は、お客様が抱えている課題の本質は何かという観点を探ります。お客様の発言にのみ意識を集中しモニタリングを行い、その結果を使ってトークフローの修正や、フォローアップ研修などを行い、時としてカウンセリングのサービス方針をも転換しています。

カウンセリングによりお客様の克服すべき課題が特定できた時には、次のステップとして課題に応じた英語習得の方法を提案するために、多種多様な引き出しを持っておく必要があります。

そのため、お客様応対の経験がある(巧く対応できる)スキルではなく、スタッフ自身が英語教育に興味関心がある、独自の学習を行ってきたなどの経験の方が、重要な知見となるため、採用やチーム構築においても、そのような点を重要視しています。

 

スタッフの個の経験を活かしたサポートを実現する仕組み

個の経験を活かす場合、提供サービスの内容や質、つまり、サービスレベルに差が生じてしまうという弊害も発生します。そのため、サービスレベルの統一を行うために、管理面における仕組みが重要となってきます。

管理における工夫では例えば、トークスクリプトをカウンセラーのタイプ別に準備をしています。

英語学習のカウンセリングでは、学習に関して多くの経験があるメンバーの場合は、どうしても対話の内容が学習関連に偏ってしまい、オンライン英会話を始めるために提供すべき情報(お客様に合ったプラン、キャンペーン情報等)を時間内にご案内することができないケースが発生します。この場合は、対話のプロセスを明確に示した、自由度の少ないトークスクリプトを利用してもらう事で、お伝えすべき情報を洩れなくお伝えできるようにしています。

逆に、オンライン英会話に関する内容は確実にお伝えできるが、学習関連の情報が不足し、事務的な印象を与えがちなメンバーへは、対話のプロセスを曖昧にした自由度の高いスクリプトを活用することでサービスレベルの均一化を図るようにしています。

ただ、このような運用を行う場合、学習相談の質を高めるために、カウンセラーが踏込みすぎたコミュニケーションを行い、結果として、お客様に失礼な応対となってしまうこともあります。そのため、応対品質管理は通常のカスタマーサポートよりも慎重に行う必要があります。

弊社では、スタッフの応対品質管理は、応対の質と学習相談の質の2つの軸に設定しています。

一般的にはスタッフが正しく案内を行えているか、失礼な対応をしていないかという観点が多いと思いますが、応対の質のみの評価にすると、個の経験を活かすという強みを鈍化させる結果になってしまうため、2つの軸による相対評価とし、スタッフの得手不得手に応じて個別に対応した育成を行っています。

応対の質を下げてでも学習相談の質に拘るべきかなど、応対品質評価の結果とお客様の英語習得の状況の分析を行い、より重要視すべき品質は何なのか探求し続けていく必要があると感じています。そしてこの探求こそが、当社サービスにおけるCustomer Successの面白みであると感じています。

レアジョブの事業領域である「教育×IT」は今、非常に変化の多い世界です。日々変化していく世の中のニーズやサービス方針に合わせながら、Customer Success領域における独自性の維持や創出、チャレンジをし続けていきます。