2017.12.27会社のアピール | 

レアジョブの本業は英語力向上なのだろうか。日本とフィリピンの草の根外交のはなし

Pocket

レアジョブ創業者 加藤 智久 
1980年生まれ。千葉県出身。一橋大学商学部卒業後、外資系戦略コンサルティングファーム・モニターグループ入社。
2007年10月、株式会社レアジョブ設立。2015年、代表取締役会長就任。2017年、取締役就任。

安倍首相の晩餐会に呼んでいただいた

先日、安倍首相主催の晩餐会に参加しました。フィリピン・ドゥテルテ大統領を歓迎する式典です。場所は首相公邸。午後6時過ぎ、溜池山王駅から薄暗い道を徒歩で向かいました。
 
首相公邸の敷地は大きく、敷地に入っても薄暗い道をぐるぐると数分歩きます。いくつかの警備ポイントを通過した先に、格式を感じさせる重厚な建物がありました。
 
参加者は両首脳の他、麻生副総理や野田聖子総務大臣などの政治家や、大手総合商社社長などの経済人を始めとする、日本・フィリピン要人が数十人集まる会でした。秋元才加さんなどの芸能人を除けば僕は最年少。
私は性格的に公式の場や社交の場などは苦手です。とても緊張しましたが、同時に光栄でもありました。
 
レアジョブ英会話が両国の架け橋としても機能してきたことを評価いただいたように思えたからです。

レアジョブ英会話は草の根外交

レアジョブを創業してから1年後の2008年8月。ある講師からフィリピンでこう言われました。
 
「レアジョブを通じて、日本のイメージが良くなった」
「日本人への偏見がなくなった」
 
フィリピンは第二次世界大戦で日米の戦場となりました。全土での死傷率は沖縄戦に匹敵します。戦後はアメリカの統治が続きました。結果、日本人に対し「戦争好き」「Wife beater」といったイメージを持つ講師も、当時は少なからず見受けられたのです。
 
しかし、日々、英会話講師として日本人と話す中で、そのイメージは変わってきたと言います。
「日本人はなんて礼儀正しいんだろう」「話すと勉強になるし、楽しいな」
 
同様に、フィリピン人に対するイメージも、日本人の中で変わってきたように思います。
創業当初に事業のことを説明すると、返ってきた反応はと言えば、「フィリピン人が英語を話せるの?」「フィリピンパブの延長?」といったものでした。
 
しかし今では、オンライン英会話はもちろん、フィリピンに英語留学することは一般的になりました。
 
もちろん、そういった印象面だけに止まらず、実用的な面でも何かしらの変化を起こせたのだと感じます。
 
海外に行った時に現地の日本人の方から「レアジョブ英会話のおかげで海外赴任できました」と聞くのは、私の最大の喜びの一つです。
 
また、オンライン英会話はフィリピンで雇用を創出してきました。フィリピンの田舎に住むシングルマザーの講師から「おかげで海外に出稼ぎにいかずに済む。子供と一緒に暮らせる」と、誕生日の写真をもらったこともあります。
 
これはいわゆる草の根外交かと思います。公式な外交と違い目には見えづらいものですが、お互いの国民感情として、民主主義国家の外交では最も重要ではないでしょうか。

それを日本政府とフィリピン政府、両国から認められた

以上のような話を、数年前に外務省の方にしたことがあります。今回、晩餐会への参加諾否を問うメールを、その方から頂戴しました。
 
> 何年か前,加藤会長から,貴社の事業について,直接ご説明していただき,大変感銘を受けました。その後もオンライン英会話という分野で,フィリピン人の雇用創出,フィリピン経済発展に大きく貢献されているだけでなく,日本人の語学力向上の観点からも素晴らしい事業と思います。日比双方の人材育成,人と人とをつなぐこのような事業を着実に成長させていらっしゃることに,敬意を表します。
 
「加藤会長」という言葉が気になりました。この6月に会長を退任、現在はいち取締役に過ぎません。すると次の返答を頂きました。
 
> 現在の肩書きが,「創業者・取締役」ということですが,お気にされることはありません。
創業者として,御社を創業し,上場させたということで,社長として,会長として,御活躍されてこられたそのご経験を踏まえてのご招待です。肩書きでのご招待ではありません。

起業家としての想い

レアジョブ英会話での草の根外交を認めていただいたこと。そして、名誉ある場に個人としてもご招待いただいたこと。
 
「変革者の立場に常にいたい」と思う自分でありますが、エスタブリッシュメントの代表たる日本政府から認められ、恥ずかしながらうれしさは隠し切れませんでした。
 
レアジョブに費やした10年間の大変さが報われたと思う瞬間でもありました。レアジョブにはスタッフが東京に100名弱、フィリピンに約200名いました。2週間ごとに日本とフィリピンを往復する生活は、単純にフィリピンで暮らすのよりも何倍も大変です。
 
仕事と、家族や健康との両立にも課題はたくさんありました。フィリピンでも、4000人の講師に会うために地方都市を50回以上巡りました。
スカイプを使った英会話の代表なのに、スタッフや講師には直接会うようにしました。それはなぜかというと思いを伝えるためでした。
 
お客様のマインドを変えるのは講師の仕事です。講師のマインドを変えるのは私たちスタッフの仕事です。マインドを変えたいが、時間が限られる。私にとっては短時間でも対面で定期的に話すことが最も効率的でした。
 
レアジョブ英会話のサービス・ミッションは「日本人1,000万人を英語が話せるようにする」です。私の解釈では、これはただ単にスピーキング力を上げるのに止まりません。
 
世界に出て行きたい、世界中の人と友達になりたい、世界中で活躍したい、そういう人が人口の1割は占める国にしたいのです。
 
ある時にひふみ投信の藤野さんから頂いた言葉でいえば、「人々の気持ちをかえるところが本業」「25分のレッスンはあくまでもおまけ」です。
 
極端な話、スピーキング力向上はレアジョブの本業ではなく “おまけ” なんです。専門用語で言えば、国際志向性という非認知能力を高めることがレアジョブの本業だと思っています。英語は、やれば上達します。やろうと思うかが大事なのです。

レアジョブのVision

レアジョブ英会話を始めとするオンライン英会話は、この10年間で日本でだいぶ浸透してきました。一般個人での盛り上がりに続き、企業ごとでご利用いただくケースも製造業では一般的です。
 
英語能力向上は「おまけ」、社内文化の醸成にまで至るよう目指しています。そして上場後は学校法人からの引き合いも地方を中心に年々倍増しています。
 
レアジョブのグループ・ビジョンは「Chances for everyone, everywhere. 」です。日本人は世界に出ていって通用するはずです。フィリピン人も同様です。
 
レアジョブの代表からは今年6月に退任しました。そのサービス・ミッション「日本人1,000万人を英語が話せるようにする」は、現レアジョブ経営陣・スタッフ・講師たちに託しています。
 
私は連続起業家として、フィリピンで新たな「Chances for everyone, everywhere. 」の挑戦をしています。売上や利益をいくら出したかも重要ですが、どれだけ多くの人の人生を変えたかも重要です。
もちろん、健康や家族も忘れてはいけません。欲張りかもしれませんが、その全てで抜群の成果を出したいと思っています。

 

Pocket