
カスタマーサポートって、何かタイマーでお客さんとの対応時間を計って、なるべく短い時間でお客さんを捌けた人が優秀!みたいな文化ありますよね?

ああ、ありますね。
短い時間で対応して多くのお客さんを捌いた人を、表彰する!みたいな。そんな感じなんですか?
一般的にはそういうの多いかもしれませんが、うちのカスタマーサポートはその形は採用してません。どちらかと言うと、お客さんの気が済むまで永遠に話そうというスタンスです。
永遠に…! そうなんですか。
はい、お客様の対応窓口のメンバーには「どれだけ話しても良いよ」と伝えています。なるべく、思っていることを全部話して貰うように、と。
そうでしたか。ちょっと木場さん自身の見た目も多少アレ的な怖さがあったんで、スパルタ的に時間計ってビシバシやってるのかと思いきや、意外です。
大丈夫です。全然アレ的なのではありません。スパルタでもありません。
でも、なぜカスタマーサポートの対応に時間をかけているんですか?

恐らく、社内でのカスタマーサポートという役割の立ち位置が、商品特性上少し他と違うんじゃないかな、と。
立ち位置?
通常、カスタマーサポートってどちらかと言うとクレーム対応だったり、とにかくイレギュラーな状況に対して「処理する」というイメージの仕事なんだと思います。その為、その対応に使った時間は「コスト」という認識になっているんじゃないかなと。だから対応時間をどれくらい切り詰められたかをKPIに置いて、それを競うんだと思います。
一方、うちの会社は、オンライン英会話という性質上カスタマーサポートの仕事が商品の一部のような状態なんです。オンライン英会話ってそもそも1人でやるもので、いきなりフィリピン人の講師と1:1で話すわけですから、孤独との戦いでもあります。講師以外、話す人がいない。そういう、誰に相談すれば良いかも分からないという状況のお客さんをWebチャット、Skypeコール、メール等を駆使して全面的にサポートして英語学習を手助けすると言うのは、うちが会社として売っているサービスそのものなんです。
はい

あと、そもそも化粧品だとか健康食品だとかと違って、うちの場合売っている商品が「体験」なので、カスタマーサポートでお客さんから貰うフィードバックって、非常に価値が高いんです。それを少しずつサービスに反映させることは、そのままサービスの質を高めることに直結する。例えば「お菓子」を売ってる場合を考えてみると、製造ラインとか簡単には変更出来ませんし、細かいユーザーのフィードバックを少しずつ製品に反映させるということは出来ませんよね。
確かに
それが、うちの場合はお客さんから貰ったフィードバックに沿って、少しずつサービスを変えていけます。例えば、お客さんがレッスン中にメモを取れる機能があるんですが、そこの文字数が足りないと言われれば増やすように社内のチームに連絡しますし、領収書の発行手続きが面倒くさいと言われればそれを変更すべく然るべきチームに働きかけます。お客さんからの問い合わせって、処理すべきものというより、サービスとして改善出来るポイントの宝庫なんです。
お客さんのニーズを救い上げて、バンバン社内に共有してるわけですね。
はい、カスタマーサポートの内容を社内に共有する、というチャットワークグループがあって、そこが日々賑わっています。

商品を改善する為の企画的なこともしているイメージなんですね。普通のカスタマーサポートっぽく無いですね
はい、社内でも、「カスタマーサポート企画チーム」とか呼んでますね。研修として、他の部門の人もカスタマーサポートをやることが多々あります。全員マストな時期もありました。サービスを理解したり改善する為に重要なポジション、という理解なんです。
なるほど
でも、その場合って、カスタマーサポートチームとしてのKPIとかってどうやって設定しているんですか?
(※KPIとはkey performance indicatorの略で、目標の達成度を評価するための主要な指標)
会員さんの継続率ですね。一度買ってもらうだけでなく、買い続けてもらう、というところにカスタマーサポートの価値があると思っているので。
そういうことですね
でも、そんなに懇切丁寧にお客さんの対応して、改善点を洗い出して、それを社内で共有して、とやっていたら大変なんじゃないですか?なんか、手が回らなくなりそうなんですが。何人いても人が足りないんじゃ…
はい、これがなんと、物凄く大変なんです。僕自身、チームを纏めるだけでなく直接お客さんの対応もしていますし、大忙しです。あ、こうやってインタビューを受けている間にも、緊急の相談が来ましたね…
木場さん、ちょっと良いですか…


大変ですね。なんかどことなく楽しそうですが。
頼れるメンバーの応募を、お待ちしております(笑)
